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手術実績

肝細胞癌(外側左葉)

Date:2015年7月3日

肝臓の腫瘍は原発性(肝臓自体に腫瘍が発生したもの)と転移性(他の部位に発生した悪性腫瘍が肝臓に転移したもの)に分けられます。犬の原発性肝臓腫瘍は全腫瘍の0.6~1.3%を占め、その半数近くが肝細胞癌と言われています。原発性肝臓腫瘍は初期には無症状のことも多いですが、進行すると元気・食欲の低下、体重減少、嘔吐、下痢、発作、腹囲膨満、腹腔内出血などが認められることもあります。犬の肝臓は6つの肝葉に分かれています(外側左葉、内側左葉、尾状葉、方形葉、内側右葉、外側右葉)が、原発性肝臓腫瘍の場合、ある程度正常な肝葉が残せる(できれば4葉以上)ならば手術の適応となる場合があります。なお全ての肝葉に腫瘍がある場合や転移性肝臓腫瘍の場合は手術の適応とはなりません。リンパ腫などでは化学療法によりある程度効果が認められる場合もありますが、多くの場合予後はよくありません。

 

<症例>

雑種犬、避妊雌、10歳11カ月齢、体重16.8kg。10日前にふらつきを主訴に他院を受診。その際のレントゲン検査にて、腹腔内に腫瘤を疑わせる不透過陰影を認め、精査・治療のため当院を紹介受診。当院での血液検査では、肝酵素の顕著な上昇に加え、低血糖(50mg/dl)を認めた。レントゲン検査では肝後方にソフトボール大の不透過陰影を認め(図1、2)、エコー検査では肝臓と連続性のあるモザイクパターンの腫瘤を認めた(図3)。肝臓腫瘍による低血糖と診断し、当院初診3日後に手術を計画した。なお手術までは1日3回の給餌を指示した。また手術前日より入院とし、ブドウ糖加酢酸リンゲルによる静脈内点滴を実施した。

腹部正中切開により開腹。腫瘤は肝臓外側左葉由来(図4)であり、一部出血を認め(図5)、大網が癒着していた。癒着した大網をシーリング装置にて切除後(図6)、外側左葉の肝動脈・門脈・胆管を一括結紮(図7)して切離した(図8)。次に肝静脈(図9)を確保し、結紮・切離し腫瘤を外側左葉とともに切除した(図10)。この後、腹腔内を洗浄(図11)し、定法に従い閉腹した。病理組織学的検査にて、摘出した腫瘤は肝細胞癌であった(図12)。

術後の経過は良好で、術後5日に退院とした。術後は低血糖を認めることはなく、現在術後8カ月が経過するが、良好に推移している。

肝細胞癌 北村モモコ 図1.pptx肝細胞癌 北村モモコ 図2

診療時間

午前/9:00〜12:00 午後/16:00〜19:00 ※休診日:火曜・祝日

※13:00~16:00は手術や検査を実施します。

※学会出席等により診療時間が変更になる場合がございます。

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